「もう、会うのやめる?」



いきなり。
先輩の口から
発せられた言葉。

・・・なんで・・・?



「俺といないで、
 好きな奴といろよ」

「・・・して」

「は?」

「・・・どうして
 そんなこと言うの!?」



ひどいよ。
あたしの気持ち、
全然分かってない。

出来なかった。
涙を堪えるなんて。

あたしの目からは、
涙が溢れ出ていた。



「海翔・・・」



あたしは、部屋を
飛び出していた。

走って向かったのは、
初磨がいる、病院だった。



何も考えずに、
初磨の病室に入った。



「・・・海翔?」



びしょ濡れの
あたしを見て、
初磨も、お兄も、
目を見開いていた。



「どうしたんだよ。
 家帰ったんじゃ・・・」

「隼翔、俺はもういいよ」

「初磨・・・。
 悪いな。海翔、おいで」



あたしの腕を引いて、
お兄は2階の病室に入った。

・・・ここは?



「兄貴・・・、海・・・!?」



ベッドに上半身だけ起こして、
だるそうに言ったのは、奏兄。