「いるけど・・・」

『出して』

「・・・碧」

「もしかして、
 葵から・・・?」



黙って頷いた。

受話器を受け取った
碧の手は、少し震えてた。



「何・・・?」

『何じゃねぇだろ!!?』



あたし達にも
はっきり聞こえた。



「声おっきいよ・・・」

『今すぐ帰って来い!!』

「帰らない・・・。
 あたし帰らないから!!」



―――ガチャンッ



「碧・・・」

「気にしないで?
 葵はすぐ焦るからさぁ」



確かに、葵くんは
事あるごとに動揺する。

・・・だけど。

さすがに今回は、
1週間経ったらいつも通り、
なんてことはないでしょ。

碧だって、
それは分かってるはず。



「俺・・・、
 認めてもらいてぇよ」

「歩夢・・・」

「海翔、聖生。
 2人にしてくんねぇか」

「・・・先輩」



頷いた先輩と、
2階の部屋へ向かった。

・・・って!!

あたしの部屋、
さっき脱いだ服!!