「血縁、ないの・・・」

「え?」



―――2人だけの秘密。

ずっとずっと、
それだけは守って来た。
なのに、碧本人が・・・。



「葵と、あたし」

「碧・・・」

「だから葵は、
 必要以上に過保護なの」



―――必要以上に過保護。

奏兄を、思い出した。
もしかして。

あたしと奏兄は・・・?

お兄とあたしは似てる。
・・・だけど。
お兄と奏兄は、
あたしと奏兄は・・・。



「・・・海翔?」

「えっ」

「どうかした?」

「何、でもない・・・」



どうして、
聖生先輩には
バレちゃうのかな。

先輩は、
誰よりも先に、
あたしの異変に気付く。



「どうしよ・・・。
 帰りたくないよ・・・」

「・・・あ。
 海翔、泊めてやれば?」

「え。あ・・・。
 碧、うち泊まる?」



丁度、お兄達2人はいない。
聞きたいこと、あるのに・・・。

でも、碧がこんな状況なら。
碧、親とも血縁ないから。



「いいの?隼兄とか・・・」

「奏兄が熱出してね。
 今日1日入院らしいんだ」

「なら・・・、泊まる。
 ねぇ、海翔。お願い・・・」

「ん?」



碧が、俯きながら口を開いた。