「まぁいいや。
 部屋行こうぜ、海翔」

「う、うん」



先輩って・・・。

もしかして。
・・・いや。
もしかしなくても、
超、超鈍いんじゃ・・・。

って、部屋!?



「あの、先輩」

「降って来たからさ。
 後でちゃんと送るよ」



音を立てて降る雨。
止みそうにないな・・・。



♪~



「あ、あたし」



碧からの電話。
デート中じゃ・・・。



「んー」

『ック、海翔ぉ...』

「えっ。どったの?」



電話越しで泣く碧。



『助けてっ』

「何?どうしたの?
 泣いてちゃ分かんない」



先輩と目が合う。
あたしは首を傾げた。



『歩夢が・・・っ』

「――――え?」



傘も差さずに、
あたし達は走った。

あの公園へ。



「碧!先輩!!」

「海翔・・・っ」



碧と矢崎先輩。
先輩は跪いていた。
額には、痛々しい傷。