「泣くなよ?」

「な、泣かないよ!」



ちょっと、
泣きそうになってた。

それに、
初磨は気付いた?

あたしは、
初磨から離れた。



「聖生、だっけ?
 もう入れていいよ」

「うん」



ドアを開けて、
先輩を呼んだ。



「もういいのか?」

「うん。終わった」

「・・・っ!!!」

「初磨!」



心臓のあたりを押さえ、
床にうずくまる初磨。



「先生呼んで「いい!」



初磨が、
先輩の言葉を遮った。



「でも「先輩、平気」

「はぁっ・・・」

「大丈夫?」

「・・・うん」



良かった。
発作じゃなかった。



「とにかくベッド入って」

「・・・あぁ」



――――コンコンッ



「海、誰か見て来て」



初磨は、
窓の外を見た。