さすがに疲れるよ。



「・・・これくらい。
 さんきゅーな。じゃ、行くわ」



矢崎先輩は、
走って喫茶店を出た。

・・・さ、
次は初磨の所行かなきゃ。



「行くか。病院」

「うん」



お会計を済ましてから、
あたし達は喫茶店を出た。

病院は、
本当にすぐ近く。



病院に入って、
エレベーターで4階へ。



――――コンコンッ



「はい」



久しぶりに聞く、
・・・初磨の声。

静かに、ドアを開けた。



「・・・海・・・」

「久しぶり。初磨」

「・・・なんで」

「初磨に、会いたい
 って言ってる人がいて」

「・・・俺に?」

「先輩、いいよ」



病室の
外にいる先輩を呼ぶ。



「・・・誰?」

「覚えてないか?
 同じクラスなんだけど」

「・・・俺、学校には
 全然興味ないから・・・」



うそつき。

ほんとは、
行きたくて
しょうがないくせに。