「心臓が?」



初磨のことなんて、
どうでもいいのに。

そもそも、
他の人には
絶対話さない。

これも・・・、
好きだから、なのかな。

なんでも話したい
・・・って思える。



「ずっと前に
 発作を起こしたの」

「・・・悪い。
 ちょっと分かんない」

「初磨、体育は
 いっつも見学でしょ?」

「あ・・・。
 そうだったかも」



激しい運動は、
控えるよう言われてたから。



「体育とか出るとね、
 なんて言えばいいのかな。
 まぁ・・・、うん。
 発作が起きるの。だから見学」

「不思議に思ってた。
 なんで、いつも見学してんのか」

「本人は出たがってる。
 だけど、周りが黙ってなくて」



初磨は、自分が
死ぬことを恐れてない。

・・・これは、
ちょっと違うかな。
本当は、
これを悪く言ったもの。

・・・そう。

初磨は、
いつ死んでもいい。
そう思ってる。



「発作起きること、
 知ってるんだろ?」

「もちろん。だけどね、
 初磨はもう諦めてる・・・」



生きることを、諦めてる。



「死ぬのか?」

「・・・。発作が続くと」

「うそだろ・・・」

「でも方法はある。
 まだ希望は残ってる・・・」



もう、初磨の親、
叔母さんも諦めてる。

だけど・・・。

あたしは諦めない。

初磨が生きること、
絶対に諦めたりしない。