「・・・かもしれない」



告白なんて、
絶対できない。

いざしようと思っても。

多分・・・。
本人目の前にしたら、
逃げちゃうと思う・・・。



「俺は、できるよ」

「そうなの?」

「でも、まだしない」



それって・・・。
好きな人、
いるってことだよね。

・・・失恋、かな。

せっかく、
好きだって気付いたのに?



「そう・・・」

「どうかしたか?
 もしやまた熱とか?」

「違うよ。今日は、
 本当にいつも通りだから」

「なら、いいけど」



熱はない・・・。

先輩の好きな人、
誰なんだろう・・・。

あたしは、立ち止まった。



「同じ、学年の人?」

「え。あぁ・・・。
 いずれ分かるから」



どういう意味よ・・・。

その人と付き合って、
あたしに自慢するの?

嫌がらせじゃあるまいし。



「あっそ」

「キレんなよ」



あたしの性格、
・・・嫌になる。



「別に、キレてない」

「分かった分かった。
 同じ学年じゃないよ」

「何年?」

「機嫌直ってるし。
 んー・・・、秘密」



聖生先輩、軽いから
どの学年にも友達いそう。

・・・女の。