――――次の日



「海、起きろ海」



珍しく、
奏兄に起こされた。

ってか奏兄・・・、
今日、静かじゃない?



「奏・・・?」

「ん、何?」



手を伸ばして、
奏兄の首に触れた。



「やめっ・・・」

「奏兄、なんで?」



奏兄と一緒に
いた時間なんて、
全然少ないでしょ?

泰兄の首、熱かった。



「うるせぇ・・・。
 絶対兄貴に言うなよ」

「泰兄っ」

「うるせぇって。
 こんなんすぐ治んだよ」



そう言って
泰兄は笑った。



「なんでさ・・・」

「下行ってるからな。
 今日は朝飯食ってけよ」



あたしの質問に
答えることはなく。
泰兄は
部屋を出て行った。



服を着替えて、
リビングに行った。



「海翔、おはよ」

「おはよー・・・」

「熱なさそうだな。
 今日の習字、夜だっけ?」

「あ、・・・うん。
 ちょっと約束があって」



男の子と、
って言ったら。
奏兄怒るかな・・・。