そんなん、実際に
好きにならないと
多分、分かんないよね。



「てか教室戻るよ。
 3年とこ落ち着かない」

「ぶーっ・・・。
 分かった。戻ろかあ」



歩くのが遅い碧。
そんな碧は置いて
あたしは教室に戻った。



「海翔ぉ~っっ
 なんで置いてくのっ?」

「歩くの遅いから」



3年とこ落ち着かない
って言って戻ったけど。
ぶっちゃけた話、
こっちも落ち着かない。

周りがあたし達のこと
変な目で見るから。
睨んでる。



「睨むのやめよぉ?」

「碧、そんなん
 気にしなくて良くない?」

「だってうざいんだもん♪」



笑顔でそういう碧。
この言葉によって、
周りがざわつく。



「何あれ・・・。
 人のこと言えないよね」



微かに聞こえた。
人のこと言えないって?



「ばかみたい」

「は?何、
 誰がバカだって?」



あたしの言葉に、
1人の女子が反応した。



「あ、聞こえた?
 ったく、面倒くさ」



こんなこと言ったら、
もっと面倒になる。
そんなことは分かってる。