って、行けなきゃ困る。
・・・だって。
先輩に、会いたい。

こんなこと
思うの・・・、
初めて、だよ。

学校が
楽しいとか、
そんなことも
思ったことない。

だけど。
だけど今は。

先輩に、
会いたい・・・。



――――コンコンッ



「次、辻宮って人から
 電話来たけど・・・」

「行くね」



先輩から・・・。
番号、知ってたっけ。
教えてない・・・。
なんで知ってるの?



「大丈夫か?」

「うん」



さっきみたいに、
力が
抜ける事は
なかった。



「・・・はい」

『あ、俺』

「うん。分かるよ」

『ごめんな。
 携帯知らなくて』



あ・・・。
碧にしか
教えてないや。

今度、
教えなきゃ。



「どうかしたの?」

『いや。明日さ、
 学校来れそう?』

「うん。
 多分大丈夫」

『朝迎えに行く』



え・・・。
声には
しなかった。

なんで・・・?