「・・・なんで?」



小声で、
そう呟いた。

先輩が
誰と喋ろうと
関係ないじゃん。

でも、何?
このモヤモヤは・・・。



「なんか、
 やだ・・・」



早歩きで、
教室に入った。



「海翔ぉー、遅かったね」

「あ、うん。
 ごめん・・・」

「どうかした?
 元気なくない??」

「え、あ、全然?
 あたしいつもこうじゃん」



碧には、
熱のこと言わない。

・・・逆に
悪化しそうだから。



「そうかもね~」

「碧、どうなの?
 矢崎先輩とは」

「ん~??
 歩夢くんと?」



昨日から
気になってたけど。

・・・こいつ。
先輩付けてない。
歩夢くん、って・・・。
そんなに
仲良くなったわけ??



「告ったりしないの?」

「え~ッッ
 そんないきなり??」

「お似合いだと思うよ~」

「でもね?
 歩夢くんね?」



碧が、
少しだけ
唇を尖らせた。