「いーだろ?
 じゃ、そういうことで~」



校舎に入って行く
矢崎先輩を、
碧は追いかけた。



「平気?屋上」

「うん。大丈夫。
 ・・・ありがとう」



嬉しかった。
お兄に
心配かけるのは
嫌いだけど・・・。

先輩が、
心配して
くれるのは、
なんか、嬉しい。



「なら良かった。
 じゃあ、入ろっか」

「うん」



歩き出した
先輩の後ろに
ついて行った。



「じゃあ、あとで」

「うん」



教室は、2階と3階。
2階まで来て、
あたし達は分かれた。

教室に行こうとすると
後ろから、聞こえた。



「聖生ーっ、おはよー」

「あ、優花ちゃん。
 おはよ。今日も可愛い」

「もーっ、ばかっ」



先輩同士の会話。

・・・そうだよね。
先輩は
いい人だけど、
やっぱり
軽いもんね。

・・・って。
なんであたし、
落ち込んでるの??