――――次の日



「海!遅刻だ遅刻!!」

「うっさい」



あたしを
起こすのは、
奏兄の役目。

でも。あたし
いっつも、
朝早く起きてる。



「朝飯は?」

「いらない。
 行って来ます」

「海翔。
 食べてけって」

「ごめん。
 食欲ないの」



あたしは、
そう言って
家を出た。



「っ・・・」



多分、
昨日の疲れが
まだ残ってる。
頭痛、めまい。
・・・、まさか
熱とかないよね?

・・・ないない。




―――ガチャッ



「海翔っ」

「お兄・・・。
 何、どうしたの?」



何も答えず。
お兄は
あたしの
首に触れた。



「熱い」

「すぐ治るよ」

「海翔、
 今日休もう」



お兄も、
本当に優しいの。