「ただいまー」



先輩が
そう言った瞬間。
勢いよく、階段を
下りてくる音が聞こえた。



「こーうーき!!
 あれっ?彼女??」

「ちげーよ。
 この子は後輩」

「ふぅ~ん。
 可愛いね♪名前は?」



似てる・・・。
目元が、先輩に。



「新垣 海翔です」

「海翔??
 珍しいね~」



それ、
たまに言われる。

確かに、女子で
カイトって
珍しいと思う。



「着替えてくるから」

「うん」

「あたし、聖那!!
 よろしく、海翔」

「あ、はい」



聖那(セナ)ちゃん。
明るくて可愛くて。
そう。
雰囲気が、
碧に似てるの。



「海翔って、
 クールな子なの?」

「え、あ・・・。
 あたし、友達いなくて」

「えっ?!」

「いないってか、
 いらないんですけど」



これ言ったら、
大体みんな離れてく。



「勿体ない!!
 友達んなろ??」

「え??」


離れないんだ。
友達に、なろ
って・・・。

言われたの
何年ぶりかな。