「あたしだって、
諦めたくないに決まってるじゃない!」

「雪・・・姉さん」



目に涙を溜めて、
雪姉さんが声を荒げた。



「でも無理なの・・・。
ハツは諦めるしかないの・・・!!」

「そんなことない!」



昔のあたしだったら、
何も、言えずにいたと思う。

だけど今は違う。

手を握ってくれる先輩がいる。
諦めずに戦ってる初磨がいる。

きっと今、
愛斗と会ってるお兄達がいる。



「初磨は、死んだりしない。
希望を捨てない限り、
初磨は生き続けるに決まってる!!」

「海翔・・・」

「だって初磨、
・・・笑ってくれたもん」

笑って、くれたもん。
・・・死ぬはず、ないよ。







「海翔!」



お兄と奏兄、
と・・・あの人。
その後ろに、
小さな男の子。

もしかして・・・。



「どうして・・・」

「母さんが、
初磨に会いたいって」



手術が終わったら、
行こうと思ったのに・・・。

心の準備が・・・。