雪姉さん・・・、
叔母さんはまだ30歳。

16歳で初磨を産んだ。
それに、見た目も若くて、
とても30歳には見えない。

うちの親と違って、
ちゃんと育てたけど・・・。



「辻宮・・・聖生です」

「海翔の、彼氏?」

「えっ・・・。
うん。付き合ってる」

「ハツ、海翔のこと
本気だったと思うなぁ」



本気だった、って。
イトコなんだから・・・。



「有り得ないよ」

「・・・あのね海翔、
あたし、旧姓は新垣なの」



・・・一瞬、
意味が分からなかった。

つまり、それは、
雪姉さんはパパの妹で。
元々、初磨とあたしは、
何の関係もない・・・?



「そんな・・・」



ずっと。ずっと、
イトコだと思ってたのに。

今さら・・・。



「ごめんね。黙ってて。
奏翔のこと聞いたんなら、
これも言わないとって・・・」

「・・・なんで?
今言わなくても・・・」

「ハツが生きてるうちに、
言っておきたかったの・・・」



なんでそんなこと言うの?
初磨は、死なない。
死ぬはずないのに・・・。



「初磨、死にませんよ」

「・・・え?」

「母親が諦めてどうするんですか」



先輩・・・。