名前は、橘 愛翔(マナト)
今、4才らしい。



「今度、話そうな」

「うん」



あたしの幸せは、
壊されそうになってる。
だからこそ、
あたし以外の人の幸せを、
壊したくはない。

愛翔は今、
幸せだろうから。
その幸せを
壊したくはない。



「じゃあ、自分の部屋戻るね」



奏兄の部屋を出た。

先輩にメールしなきゃ。



【お母さん帰ったよ。
 本当に、最低だった】



初めてのメールなのに、
あの人のことなんて・・・。



【そっか。辛くない?】



お兄と同じこと聞く。



【全然大丈夫だよ。
 あたし、弟いるんだって】



先輩からの返信は早い。
驚いてるのか。
早く先が聞きたいのか。



【再婚したってこと?】

【そういうこと。
 で、その子を
 預かることになったの】



結局あの人は、
それを言いに来たんだよね。

・・・悪気なんてものは、
これっぽっちもないのかな。



【いいのか?】

【その子に罪はない。
 悪いのは全部あの人】