「奏翔。次お前」

「・・・分かった」



奏兄が出て行って、
お兄があたしの隣に座った。



「大丈夫?」

「何・・・が?」

「辛くない?」

「・・・うん」



先輩が応援してくれた。

お兄達が、
支えてくれてる。

・・・大丈夫。
大丈夫だよ。




「次、海翔だけど、
 何かあったら呼べよ?」

「・・・うん」

「恐くて当然だよな。
 顔なんて覚えてないだろ」

「・・・うん」



うん、としか言えないの。
まだ全然、心の準備が・・・。



「大丈夫。俺らがいるからな」



微かに震える
あたしの手を、
お兄はそっと握った。



「・・・海だって」

「奏翔、どうだった?」

「・・・困った」

「そか。・・・海翔、
 何かあったら呼べよ」



小さく頷いて、部屋を出た。



「・・・海ちゃん」

「ッ、呼ばないで!」

「・・・ごめんなさい・・・」



今さら、謝られても困る。
・・・ってゆうか、
何に対して、謝ってるの?