「じゃあー・・・、
 今、幸せだよね~?」

「ぇ・・・」



幸せ、だよ。
先輩と結ばれて、
聖那ちゃんやおばさんと、
こんなに仲良くなれたし。

・・・ただ。

やっぱり引っかかるのが、
・・・あの人のこと。



「海翔?」

「あ、うん!幸せだよ」

「そうだよねぇ~。あ。
 あのバカからメールだー」



若干微笑んで、
ケータイを開く聖那ちゃん。



「はぁっ!?あいつふざけてる!
 ねぇママ、慶斗が来たいって」

「ふふっ、いいじゃないの。
 海翔ちゃん、今から、
 聖那の彼氏が来るんだけど
 海翔ちゃん大丈夫かしら?」

「はいっ、大丈夫です」

「もー、分かった。
 じゃあ今から呼ぶ」



聖那ちゃん彼氏いるんだあ。
・・・どんな人なんだろ?



「慶兄、来るの?」

「あ、聖弥~、おはよ。
 慶斗来るけどいいよね?」

「うんっ」

「聖弥、聖生。
 オムライス食べなさい?」



聖弥くんが、
優しい笑顔を見せた。



「わぁ、美味しそう。
 海翔姉ちゃん、美味しい?」

「うん。すっごく美味しい」

「そっか。いただきます」

「っし、いただきます」



ピーンポー・・・ン



「・・・はあ。
 慶斗来たっぽいね」



聖那ちゃんが、
玄関に向かって行った。