こういう時。
幸せだな、って思う。



「あ、聖那。
 聖弥は大丈夫?」

「さっき混乱しちゃったけど、
 もう平気。部屋で眠ってるよ」

「そう・・・。良かった」



混乱?どういうこと・・・?
ただ、これは家族の問題。

あたしが聞いたところで、
先輩は教えてくれないはず。

哀しいけど・・・。

先輩はもしかして
あたしを想って、
そうしてくれてるのかな?
・・・そんなことを、時々思う。



「聖生、あなた・・・」

「・・・言ってないよ。
 言う必要ないと思って」

「・・・呆れた。
 付き合ってんでしょ!?」



あたしは分からない会話。
一歩下がって聞いてると、
聖那ちゃんの口調がキツくなった。



「そうだけど・・・」

「聖那、やめなさい。
 丁度良いわ。話しましょう」



ある程度終わったのか、
おばさんと目が合って。
先輩に似てる、笑顔を見せた。



「・・・分かった。
 っ、でも・・・」

「心配ないわ、聖生。
 海翔ちゃん座ってくれる?」

「あ・・・、はい」



言われた通り、
ソファに座った。



「・・・聖弥のこと、
 話したいと思ってね」

「・・・はい」

「あの子は、心が弱いの」



・・・え?