「そ・・・っか」

「いつまで気にしてんだか。
 俺もう、元気なんだけどな」



あたしでも気にする。
自分のせいで
事故に遭って記憶失くして。

気にせずには、いられない。



「・・・うん」

「さ、昼だ。
 なんか食う?」

「いいの?」

「当たり前。
 ほら。下行こ」



階段を下りると、
ソファに聖那ちゃん。



「なぁ姉貴。
 腹減ったんだけど?」

「えっ・・・」

「母さんまだ?」

「・・・も、
 もうすぐ帰って来る!」



明るい声で言った。
ふ~ん、って。
先輩はそれだけ。

・・・けど。

ちゃんと、
微笑んでるのが分かる。



「ただいま~」

「あ、帰って来た」

「母さん。腹減ったー」

「はいはい。
 あら、海翔ちゃん!」



先輩のお母さんは、
満面の笑みを見せた。

・・・ちょっと、
先輩に似てる気がした。



「お邪魔してます」

「大歓迎よ~♪あ、
 オムライス食べれる?」

「はいっ、大好きです」



本当に、心から大好き。
無理なく、微笑む事が出来た。