「で。何ですか?」

「俺、ついさっき。
 ・・・海翔に告った」

「ッ、え・・・?」



確かに
引きつった千晴の顔。



「ってことで、
 俺の彼女にさぁ、
 手、出さないでくれる?」

「・・・はい。
 分かってますよ」



ちょ・・・、
待って。ちょっと待って。

さっき、
言ったじゃない。

分かった、って。

あたしの気持ち、
分かって、
くれたんじゃないの?



「もう、海翔に。
 好きって言わないで」

「・・・はい。
 じゃあ、俺戻ります」

「待って千晴!」

「何ですか?先輩」



先輩は好き。
だけど・・・。



「手は出すな。
 好きって言うな。
 それだけだよ。
 もう会うなって
 ・・・言ったっけ?」

「え?」

「先輩・・・」



やっぱり。
先輩は優しい。

もっと、もっと、
好きになったよ。



「ただし、週1な。
 週1でなら、
 2人で会っていいよ」

「辻宮先輩・・・」

「あ、でも条件。
 俺が無性に
 会いたくなったら、
 その時は譲ってな」



微笑む先輩。
驚く千晴。

あたしは、
その真ん中で、
小さく笑った。