「・・・でさ」

「うん?」



しばらくの間、
抱きしめ合ってた。



「話してみ?」

「え・・・」

「何かあったんだろ?」



体が離れ、
先輩はじっと、
あたしの目を見つめた。

バレバレ・・・。



「先輩は好きなの。
 だけど・・・ね?」



なんとなく、
千晴のことが
心配っていうか。

一応・・・、
好きだって
言ってくれたし。



「この間の奴か?」

「あ・・・うん」

「優しいのな、海翔。
 うん。分かったよ。
 そいつとちょっと
 話したいんだけどさ」

「メールしてみる」



今日2度目、
千晴を誘いだした。



【音楽室、来て】



しばらくして、
音楽室のドアが開いた。



「先輩?え・・・」

「知ってるよね?
 聖生先輩のこと」

「・・・はい。
 学校一のモテ男」

「はは・・・。
 それは歩夢のことだな」



作り笑いだった。

やっぱり、
付き合ったんだし、
千晴と関わるのは
いけないことかな・・・?