「どうして・・・」

「あの日の時点で、
 もう、大好きだった」



分からないことばかり。

・・・だったら。
どうしてあの日・・・。
あたしの言葉を、
聞いてくれなかったの?



「先輩・・・」

「資格がないって、
 本当に思ったんだ。
 海翔の気持ち、
 若干気付いてたのに」

「えっ・・・」



気付いてた?



「ひどいこと言って。
 海翔を傷つけた。
 俺と一緒になっても、
 幸せになれない気がした」

「・・・お願い。
 あたしは・・・、
 先輩と一緒にいたいよ」



先輩に会えない、
先輩と話せない日々。

辛くて、苦しかった。



「・・・あぁ」



先輩の
抱きしめる力が、
きゅっと強まった。



「離れたくない」

「うん。
 っていうか
 ・・・もう離さない」



初めて。
あたしも腕を回した。