「何?姉貴」

「その・・・。
 お母さんの
 話なんだけど」

「もしかして姉貴、
 先輩に話したのかよ」



怒りに満ちた、
千晴の表情・・・。
初めて、
怖いと思った。



「・・・ごめん」

「っざけんなよ!!
 先輩は関係ねぇだろ!?」

「千晴・・・」

「結局、姉貴は
 俺を恨んでるんだ。
 母さんも父さんも、
 俺が殺したから・・・!」



そう言って千晴は、
図書室の窓に手をかけた。

・・・何してんの?



「晴!何してるの!?」

「俺が死ねばいいんだろ」



ってか、晴って。



「やめてよ!」

「望んでることだろ?
 昔からずっと・・・!!」

「じゃあ飛び下りれば?」



千晴に向かって、
投げ捨てるように言った。

ここは3階。
死のうと思えば、
まぁ、死ねると思う。



「新垣さん!!」

「死ぬ勇気、
 どうせないんでしょ」

「俺は、死ぬよ」



足は掛けたものの、
完全に止まった千晴。

・・・ほら。