「じゃあ、行こっか」



公園を出て、
あたしの家に向かった。
並ぶのは
嫌だったから。
あたしは
先輩の少し後ろを
ゆっくりと歩いてた。



「海翔」

「えっ?」

「俺、海翔の家
 知らないんだけど?」



そっか。
後ろ歩いてちゃ
駄目ってことだよね。



「ふふっ」

「え?」

「あははっ」



なんだか
可笑しくなった。



「何笑ってんの」

「ごめ・・・。
 ふっ、はははっ」

「ったく・・・。
 ほら、家どこ?」



辻宮先輩って、
軽いけど、
矢崎先輩が言う通り
いい人なのかも。



少し歩いて、
あたしの家に着いた。

結構、近いかも・・・。



「入る?」

「え、いいの?」

「親いないから」



男の人を、
家に上げるなんて。

絶対嫌だ
って思ってたけど。
先輩ならいっか
って、思った。