「話してくれて、
 ありがとうね・・・」

「最後に、お願いがあるの」

「え?」

「あたしが言っても、
 気を遣ってる様にしか、
 思われないから・・・。
 千晴に伝えてほしいの。
 両親が死んだのは、
 千晴のせいじゃない。
 そう、伝えてほしい・・・」



伝えるのは、
構わないけど・・・。

だけど。

ついさっき、
千晴に関わるな、
って・・・。



「分かった」



あたしはすぐ、
ケータイを取り出した。



【今すぐ。
 図書室おいで】



そう短く打って、
千晴が来るのを待った。



―――ガラッ



「先輩?どーした・・・、
 なんで、姉貴がここに?」



千晴の顔から、
いつもの笑顔が消えた。



「美影から、
 話があるんだって」

「えっ。新垣さん!」

「姉弟の問題は、
 2人で解決しなきゃ」



伝えるのが、
面倒なわけじゃない。

ただ単に、
2人で、って思った。

本当にそれだけのこと。