「静かな子~」

「ほら碧、行くよ。
 千晴、じゃあ・・・」

「はい。また!」



あたしと話すときは、
いつも通り明るい千晴。

・・・不思議。



「碧、ほら」

「うーん」



碧と2人で、
学校に入った。



「あの子、何?
 まさかの彼氏?」

「なわけないでしょ」

「じゃあなんでっ」

「弟なんだよ。
 宝田 美影の」



説明するのも、
少し面倒だった。



「誰?それ」

「同クラのさー。
 とりあえず、ね」

「ま、いっかぁ」



―――ガラッ



「来た・・・」



教室に入ると、
女子たちが
小声で話し始める。



「ねぇ、ちょっと!」

「・・・は?
 ぁ、美影じゃん」

「気安く呼ばないで」

「これが美影??」



美影に、何故か
話しかけられた。

なんで朝から、
絡まれるわけ??