「せーんぱーい!!」



朝、7時半。
外から聞こえた、
あいつの声・・・。



「・・・はあ。
 行って来ます」

「海!待て!!」

「え?なーに、奏兄」

「ぁ、いや・・・。
 ・・・気ぃ付けてな」



気、遣ってる。
本当は、
言いたいんでしょ?

外にいる男は誰だ、
・・・って。

過保護だから、
いつもなら、
うるさく言うでしょ?



「・・・うん」



最後にもう一回、
行って来ます。
と言って、家を出た。



「せんぱーい!!」

「うるさい」

「ひどいっすねー。
 じゃ、行きますかっ」

「今日は教室、
 絶対来ないでよ」



とにかく、
千晴に言う。

来られても、
困るし・・・。



「分かってます。
 今日だけですよ??」

「・・・さぁね」



期待なんかしてない。

先輩に、
何言われるのか。

嬉しいこと?
悲しいこと?

それも、考えない。

違ったら、
恥ずかしいでしょ?