「だろ?」



その呟きに
答えるように、
辻宮先輩が言った。



「先輩・・・」

「ごめんね。さっき。
 海翔、可愛くて」

「別に、いいです」



あたしは、
そう言って
景色を眺めた。

ここからの
景色って・・・。
最高に綺麗。



「敬語やめて?」

「え?」

「落ち着かないから」

「・・・うん」



それだけ、言った。

どうせ、
この人と喋るのは
今日だけだろうし。



「ねねっ、海ちん!!」

「何?碧」

「あたしと歩夢くん、
 帰って着替えてくるね!」

「は?」



それって、
2つに分かれる
ってことだよね??



「じゃっ、あとでね!」



2人は行ってしまった。

ちょ、待ってよ・・・。



「どうする??」

「え・・・。
 どうする、って?」

「海翔も、着替えて来る??」

「あ・・・。うん」



制服は、楽じゃない。