「先輩達と
 関わるからよ」

「姉弟2人してバカ。
 本当に、呆れるわ」



でもいいよ。

多分もう、
関わることない。
多分もう・・・。

なんか、
帰りたくなって来た。
・・・帰ろうかな。

息を吐いて、
鞄を手に取った。

碧には悪いけど、
今日は家にいたい。

奏兄にも、
悪いことしたな。



騒がしい
グラウンドを、
足早に横切った。



―――ガチャ



「え。海翔」

「帰って来ちゃった」

「・・・ったく。
 何だよお前らは」



小さく笑いながら、
お兄はそう言った。

・・・お前ら?



「は!?海?」



リビングに、
何故か奏兄がいた。



「学校だるいって、
 帰って来たんだよ」

「なんで海が?」

「学校、もう
 面倒くさくて」



何かあったことを
なんとなく察したのか、
2人は何も聞かなかった。



「ってか昼どーするよ」

「なんか食い行く?
 久々に3人で!な、海」

「うんっ」



帰って来てよかった。

こうして3人で、
どっか行くなんて、
本当に久々だから。

3人でいる時が、
やっぱり一番落ち着く。