「海翔クールだな」



矢崎先輩が
少し笑いながら言う。

クールなんじゃない。
あたしはただ。
男が嫌いなだけ。



「海ちん、
 楽しもうよ??」

「・・・碧が
 そう言うなら」

「よしっ、
 じゃあ行くか!」



矢崎先輩が言った。

行くって・・・
どこ行くつもり?!



「先輩、
 どこ行くんですか?」

「俺と聖生が
 気に入ってる場所」



なぁ?と、
矢崎先輩は
辻宮先輩に問いかけた。



「2人も多分、
 気に入ると思うよ」

「へぇ~・・・」



どんな所なのか、
ちょっと。
ちょっとだけ、
気になった。



少し歩いて、
あたし達は、

小さな公園に着いた。



「ここ、ですか??」

「うん。ここ。
 やっぱ一番落ち着く」



公園は丘の上にあって。
秘密基地のような
雰囲気を持っていた。



「落ち着く・・・」



小さな声で、
そう呟いた。