荷物をまとめ終わり
居間に戻ると座って待っていた母さんが
こっちを向いて何か袋を投げて来た。

羅「?母さん、何コレ。」

母「男装セットよ。きっと似合うわ…。」

母さんは妄想やら何やらしているのか
頬を少し赤らめてうっとりしていた。


…意味がわからない。


とりあえず着替えてみる。

色素の薄い金髪のかつらに
白いスーツ。

かつらを被り、スーツを身にまとう。

かつらは自己満でワックスではねさせて
無邪気な印象になってみる。

羅「…母さん、出来たよ?」

バッとこっちを見て
目を見開き赤面する母さん。

母「羅喜、男になったら…?
  すっごいかっこいいわあぁっ!」

羅「ははは……とりあえず、行こ?
  車待ってるし。」

母「うふふ…そうね、行きましょう。」

うふふ、は何だ。うふふ、は!

バタンッ

あたし達が乗り込むと
弟子によってドアが閉められ
車が発進する。


…にしても、いつ乗っても
バカでかいよな、この車。


無駄なスペース…。


とか、思っている間に着いた。

車で3分、
徒歩6分、
自転車5分。

車、乗らなくてもよかったんじゃないか?