まずいつい口が滑ってしまった。


俺には時間がない。


多分、千比絽は気づかなかったと思う。


俺は中2の時、激しい目眩と吐き気に教われた。


常に貧血気味だから気にもしてなくて。


俺に告げられた病名は、【再生不良性貧血】


なんの病気なんだ、貧血の酷いやつなのか。


骨髄機能の低下、赤血球、白血球、血小板生成の阻害減少してしまう病気。


病気を詳しく聞いても、まだ理解出来なかった。


その時一緒にいた親父が医師に聞いた、ことばが。


「助かる道は?」


助かる道って、俺は死ぬのか。


こんなに元気なのに、死ぬ訳ないだろ。


「骨髄の移植をすれば大丈夫かと思います。」


骨髄移植って、何処かで聞いた事があった。


まさか、自分が白血病になるだなんて、思いもしなかったのだ。


俺の命は後何年なのか、それを聞く勇気はなかった。