小山主将は沙那美さんと過ごした3年間を、後悔なんてしてないはずだ。


なのに、どうしてそんな顔をしてるの。


「沙那美といて幸せだったかって言いたいんだろ。この3年間俺は沙那美といて、最高に幸せだった。」


なら、それでいいのではないですか。


今さら何を言いたいのか、分からない。


「幸せだったなら、西條先輩に嫉妬しなくても、小山主将の良さを西條先輩は分かってますよ。野球の相手なら私がします。」


小山主将がありがとうと言った。


小山主将の笑顔を始めて見た気がする。


「佐川監督が言ってたよ。千比絽が男子なら即戦力になるのになって。俺も千比絽が誰よりもピッチャーに向いてることは、分かってたんだけどな。」


そんなに自分を責めないで下さい。


小山主将とわかり合えた事が嬉しい。


西條先輩がいつも小山は仲間思いのいい奴だと言っていた。

信じられなかったけど、今なら西條先輩が言ったことばを理解出来る。