大丈夫だ。


自分の気持ちを落ち着かせ、小山主将のことばを聞く。


「弘也は俺よりいっこ上で、中2の1年間は学校へは来なかった。俺が中2になった時、弘也が同じクラスに入って来たから、驚いていたけど、そのうち誰も弘也の過去を言う奴はいなくなった。」


西條先輩はみんなと馴染むのが早い。


上下関係なく仲良くやれる人だ。


「弘也はいい加減な男で、その時付き合っていた沙那美は毎日泣いた。沙那美を慰めるふりして、沙那美の気持ちを無理矢理自分に向かせ、付き合うことにした。」


そんな気持ちで付き合っても上手く行くはずかない。


小山主将もその事は分かっていたと思う。



「多分沙那美はその時も弘也を、諦めていなかったんだと思う。俺はこの3年間沙那美だけを大切にしてきたのにな。」


沙那美さんがどんな気持ちでいたのか、今は聞くのが怖いい。

西條先輩はどんな思いでいたのか。


「私はずっと弘也を忘れられなかった。もう庄一とは付き合えないって言われて、俺の3年間を返してほしいと思った。」


小山主将それは違うと思います。


沙那美さんと過ごした3年間はどうだったのですか。


不幸でしたか。


幸せでしたよね。


違いますか。


沙那美さんと過ごした3年間は、楽しかったはずです。


小山主将の顔を見れば分かりますから。


沙那美さんと過ごした3年間を大切に思ってるのが分かった。