夕食の後、地区予選の対戦対校が佐川監督から発表された。


半端なく緊張する。


「江南の対戦相手が決まった、笠原商業だ。昨年は準決勝まで行った、強豪校だ。油断は禁物だからな。いいか諦めずにくらいつけ。」


笠原商業はここ最近強くなった高校だ。


「俺たちは必ず勝ちます。笠原商業には練習試合で勝ってますから、負ける気はしないです。」


みんなが小山主将を一斉に見る。


小山主将のその自信はどこからくるのだろう。


弱音なんて、言ってられない。


どんな事をしても、勝たないと意味がないのだから。


私たちは絶対負けるわけにはいかなかった。


「気持ちだけじゃ駄目なんだ。チームが一丸となって戦わなければ勝ちはない。野球は一人でやるスポーツはないからな。」


西條先輩の言葉に、その通りだとみんなが頷く。


野球は個人プレーではないのだ。


小山主将が心配になった。


小山主将は大丈夫だろうか。