千比絽が固まって動けないでいると言うのに、俺は最低な言葉を口にしていた。


自分のことばに自分が呆れる事もあるだなんて。


「千比絽は思ったより胸あるな。」


何でそんな事を言ってしまったのか分からない。


その後も千比絽に酷い言葉を浴びせた。


千比絽の今にも泣きそうな顔を見て、俺は我に返る。


俺ってこんな小さな男だったんだと、沙那美に振られ、弘也に嫉妬した俺は、何も関係ない千比絽に八つ当たりして、最低男になっていた。


でも、どうやって、千比絽に謝っばいいのかも分からない。

俺がシャワーに打たれたままでいると、弘也が行きなり入って来た。


「俺の事はどう思っても恨んでくれても構わない。千比絽だけは傷つけないでやってくれよ。千比絽は純粋に野球が好きなだけなんだ。」


この時、弘也は千比絽が好きなのだと確信した。


いい加減な弘也が、本気の恋をしているのかも知れない。


バカバカしい。


いい加減男が本気で恋をしてるだなて。


笑わせるなよ。