西條先輩は中々私を離してくれない。


可笑しな汗も出てくるし。


ドキドキで、今にも心臓が飛び出しそうだ。


「千比絽は俺の気持ち分かってる。何度も告白してるつもりなんだけどな。」



やっぱり、あれは告白なんですね。


本当に私なのかと疑いたくもなる。


嘘だ、信じられません。


西條先輩はかなりモテる人なのに、なんで、男子みたいな私なのか。


何度考えても答えが出そうもない。



「告白の返事がほしいとかじゃないから、千比絽の側にいたい。こんな気持ち初めてだから、俺もどうしていいのか分からない。」


それって、どういう事ですか。


ますます分からなくなります。


「私は恋愛経験がないので、もう少し今のままいさせてほしいです。野球バカなんで、野球のことしか考えられません。」


ごめんなさい。


西條先輩の告白の答え方が分からないだなんて。


自分でも呆れた。


「千比絽は野球バカのままでいいんだよ。」


西條先輩はどこまでも優しい。


西條先輩にこうして抱き締めらるのは好きだ。


ドキドキするし、幸せを感じるから。


これって、やっぱり恋かも。


恋って本当にむずかしいと思う。