嬉し過ぎて何から話して良いのか迷った。


西條先輩が神様に見えてしまう。


これからは西條先輩について行きます。


「西條先輩が野球部入部を認めてくれたんですね。」


本当にありがとうございます。


「一つ条件がある。今から言う条件を満たしたら、入部を認める。」



条件って何だろ。


まさか、危ない事を言われるとか。


「運動場10周、腕立てと腹筋100回が出来たら、千比絽の入部を許可するよ。」


たったそれだけの事だなんて、随分甘く見られたものだ。


毎日10キロ走って、腕立てと腹筋100回以上やっているから、簡単にこなせる。


あまり簡単にやるのも感じ悪いと思い、無理ぽい事を言ってみると、西條先輩が嬉しそうに笑った。


やっぱりね。


女子には出来ないと思っているのだ。


絶対認めさせてやる。


見てなさいよ。



「千比絽は入部を諦めるんだな。」



何を勘違いしてるんですか。


「いえ諦めたりしません。やらせていただきます。早速運動場走ってきますね。」


西條先輩をギャフンと言わせてやる。


私の実力はこんなものではありません。


西條先輩にも絶対負けないですから。


西條先輩がどんな顔をするか、楽しみだ。


男子に負けたことないし、絶対負けない根性もある。


いつも父さんに誉められた。


千比絽は決めた事を絶対諦めないで最後までやり通す、強い根性の持ち主だと。


父さん見ててください。