小山主将が何を考えてるのか、全く分からない。


常に怖い顔だが睨む顔は怖さを増していた。


「何でそこまでムキになるんだよ。みんなが体を壊したら、どうするつもりだ。」


小山主将が空を見つめた。


雨は降り続ける。


「こんな雨で練習が出来ないなんて、気持ちが負けてるんだ。今は強くなれる根性が必要なんだよ。」


小山主将が言うことも分かるけど。


「ギャー !」


いきなりの雷に、私は側にいた小山主将に抱きついてしまった。


「おい、千比絽離れろ!」


私の腕を振りほどこうとする小山主将。


ごめんなさい。


「すみません、小山主将、あぁでも駄目なんです。雷超苦手なんで、ごめんなさい。もう少しだけ、ギャー!」



「離れろ!」


西條先輩が隣に来て、両手を広げた。



「千比絽、おいで。」


西條先輩が優しく抱き締めてくれる。


その時西條先輩が小山主将に何か言ったのだが、怖くて震えていたから聞き取れなかった。


何を言ったのだろうか。


うん、やっぱりわからない。