陸斗に一人暮らしが羨ましいと言われ、楽だが食事がかなりめんどくさい。


掃除も滅多にしないし、洗濯もかなり適当。


「一人暮らしはやらなきゃ行けない事が多くて、思ったより大変だな。」


自分の家の家庭事情なんて、今まで話した事もない。


なのに俺はベラベラと話していた。


この家の居心地の良さからなのか。


「俺の親父は市会議員で、若い秘書に手だして子供が出来て籍を入れた。その女は22才で、一緒になんか住めるかよ。」


母親の話は初めてした。


「母親は病気で亡くなった。一人が寂しいとかじゃないけど、なんか虚しくなるんだ。」


千比絽、そんな顔するなよ。


俺は大丈夫だから。


心配させてしまったな。


千比絽は優しい子だから、話したのは不味かったと反省した。


千比絽は笑顔が可愛い素直な女の子。


俺にないものをたくさん持っているから、羨ましく思う。


千比絽の笑顔が眩しかった。