好きな野球を続ける、それが私の気持ち。


何年先どんな形になっても野球をやり続けたい。


その強い思いだけで頑張る事が出来るのだ。


「今回は練習試合だから、千比絽のベンチ入りを許可する。」


嬉しいけど、簡単に喜べない。


ベンチ入り出来ないメンバーも沢山いた。


「なんで千比絽がベンチ入りするんですか。二年の俺たちだって応援席なのに。」


分かってます。


みんなの思いは充分に分かってますから。


「日頃の練習もおまえら二年生よりも、千比絽の方が頑張ってると思う。練習後のボール拾い、グランドの整備もみんな千比絽一人にやらせてるのを、俺が知らないとでも思うのか。」


二年の田中先輩は何も言わず部室を出て行った。


佐川監督が日頃の私を見てくれてたのが、素直に嬉しかったが。


「俺は努力しない人間は嫌いだ。千比絽が頑張ってることは認めてるからな。」


泣けそう。


「ありがとうごさいます。」


佐川監督に頭を下げて部室を出た。


田中先輩が心配になり、後を追う。


田中先輩は私だけでなく陸斗も嫌ってるを知ってるから。


どうして、陸人を目の敵にするのか分からない。


私の事を嫌っても構わないから、これ以上陸人を嫌ってほしくないと思う。