俺の入院の二三日が一週間に伸びた。


それなのに千比絽は何も言わずに、毎日弁当を届けに来てくれるし、夕方はどんなに遅くなっても病院へ寄るのだ。


「明日退院だね、明日は土曜日だから、弘也のマンションに泊まっていいかな。退院パーティーやるから、野球部のみんなと、星野監督と小林医師も来るよ。」


千比絽が楽しそうに話すから、俺も楽しみだと言った。


本当は千比絽と二人きりになりたかったけど。


「日曜日は二人だけの時間だよ。」


千比絽には俺が考えてる事はお見通しみたいだな。


多分今、俺の顔は赤いだろうと思う。


そんな俺を見てケラケラ笑う千比絽が本当に愛しくてたまらない。


神様、もう少しだけ俺に時間を下さい。


千比絽の為に生きたい。


まだ、まだ、俺にはやり残した事がある。