又、弘也に無理をさせてしまった。


ごめんね、弘也。


点滴をしてる腕が、一段と細くなった気がする。


弘也が目を開けた。


「そんな顔するなよ。俺は死なない。」


もう、これ以上無理させられない。


「ごめんね弘也。私が弘也に無理ばかりさせてるから、本当にごめんなさい。」


許してほしい。


「俺は無理なんかしてないよ。千比絽とベストカップルに選ばれたのも嬉しかったし、千比絽のウェディングドレス姿見れて、本当に幸せだった。」



うん。


分かってるけど辛いの。


辛くて苦しくて、ここから逃げたしたくなる。


「真央ちゃんがベストカップルになった時の写真撮ってくれたんだ。千比絽といると、自分は生きているんだと感じることが出来るんだ。」


うん。うん。


分かっていても。


「俺は千比絽といることが幸せだから。」


うん、うん、うん、そうだったね。


私も弘也といられる事が幸せだから。


もう、何も言わない。


ずっと、一緒にいようね。


弘也の気持ちが嬉しかった。


私は何処かで覚悟を決めてるなんて嘘だ、弘也が死ぬなんて信じたくなかったし、いつまでも生きてほしいと心から願った。