鏡の中の自分に話かけてみた。


今までの私は女子であることを無視してたつもりはないけど、ただ野球がしたくて必死だったのだ。


女子らしい自分もなんか新鮮かも。


無理矢理男子になりきろうとしていたのは確かだし。


これが私のあるべき姿なのかも知れない。


何処かで何を間違ってしまったのかな。


涙が溢れた。


本当にバカだな。


「千比絽はどんな時も女子だよ。真っ黒になって野球してる姿も、今みたいにおしゃれしてる千比絽も、俺の大好きな千比絽だよ。俺は野球してる千比絽が一番好きだけどな。」


うん、弘也に言われると素直に頷ける。


弘也に会えて本当に良かったと思う。


野球に出会えて良かった。


これからもずっと野球を続けたい。


弘也がいれば怖いものはないから。


私は走り続けます。