このまま二人の時間が止まってしまえばいいのにと思う。


千比絽の目から涙が溢れた。


千比絽は夢でも見ているのだろうか。


「弘也、何処にも行かないで、私を置いて行かないで。」


千比絽といる、ずっと一緒にいるよ。


ごめんな、千比絽。


千比絽がクリスマスを一緒に過ごしたいと言った。


12月24日は俺の20才の誕生日。


二人でお祝いをしたい。


そう言った、千比絽の顔が曇る。


後3ヶ月、俺は生きていられるのだろうか。


千比絽も小林医師から、俺の寿命聞いていると思う。


だが、千比絽はその事に触れようともしない。


俺の前で千比絽が泣かなくなった。


夢の中でも泣くなよ。


千比絽に泣かれるのが一番辛い。