弘也はもう大丈夫だと信じたい。


ううん、絶対、大丈夫。


「俺は中2を二年間やったし、もう怖いものなんかない、死ぬのさえも怖くなかった。でも、今は死ぬのが怖い。」


怖くてたまらないと言う。


「千比絽は俺が死んだら、自分も死ぬなんて言うし、千比絽を死なす訳には行かないとおもった。その為に俺はどんな事しても生きてみせるよ。」


弘也、私の為に生きて下さい。


弘也の事は大好きだけど、勉強を教える弘也は厳しくて別人のようだ。


いくら勉強してもわからないものは無理です。


「千比絽の頭ん中見てみたいよ。又赤点取ったら2年になれねぇぞ。 」


それは、絶対やだ。


だから、必死に勉強をした。


弘也の病室に私の私物が、どんどん増えて行く。


あの夏から3ヶ月が過ぎ、もう秋も終わりを告げていた。


小林医師から来週退院の許可が出たのだ。


弘也、良かったね。


これからはずっと一緒にいられるよ。