西條先輩は本当にバカだ。


そこまでして、元気なふりをしなくてもいいのに。


「僕の声かなり弘也に似てたでしょ。弘也は千比絽さんの為に必死で生きようとしてます。弘也を頼みますね。」


分かってるけど、辛すぎる。


私は何も出来ないし、そんな力もない。


弘也をどう支えれば良いかなんて分からなかった。


「いつ消えるか分からない命でも、千比絽さんがいる事で、後1ヶ月の命が3ヶ月、3ヶ月の命が半年になり、もしかしたら後1年生きられるかも知れない。」


後1年だなんて、やだよ。


2年、3年、ずっと、生きてほしい。


弘也を絶対死なせたりしなから。


「私は弘也を死なせない。私は戦うのが得意なんです。弘也と一緒に、病気と戦ってみせます。そして必ず勝利します。」

この気持ちに嘘はない。


弘也はもう一人じゃないから。


今日から一緒に、病気と戦おう。


神様は弘也を見捨てたりしないはず。